第3版への改訂にあたって

第1部

改訂の経緯

本書は、『「偽典・女神転生」秘密の書』第2版補訂版に、大幅な加筆・修正を加えたものである。幸いにして第2版補訂版は好評をいただいたようだが、上梓以降も多くの方々が研究に参加され、さまざまな成果が上がっている。だが、残念なことにこうした成果を採り入れたうえで全面的な改訂を行うには、まったく時間が足りない。そこで、これまでのように、段階的に内容をリライトしていくことにした。改訂の具体的内容は、以下のとおりである。

内容面

ストーリーの説明を拡充した点が大きい。いままでは、リアルタイムでプレイしている人を読者として念頭に置いていた。だから、記述が薄かったり、曖昧だったり、はたまた間違っていても、プレイヤーの記憶に頼って補完してもらっていた。しかし、Windows版の発売から、もうかなり時間が経っている。補完は期待できないだろう。そこで、本書を読んだだけでもだいたいのところはわかるようにした。

この作業を行うにあたって、解析されたメッセージデータを存分に利用させてもらった。これがなければ、今回ここまで書けなかっただろう。それに、自分の記憶に頼らずにすんだので、内容もかなり正確になった。

本書のコアは、ストーリーの注釈と攻略情報である。もちろん、これらの加筆・修正もかなり行われている。従来からの注釈も全面的に見直し、一歩前へ進めたつもりだ。新しい注釈にも自信作がある。

これらの改訂の結果、旧第1章から第6章までと比較して、文章量は約60%強も増加することになった。そのため、第1章があまりに長くなってしまうので、2章に分割することにした。したがって、旧第1章は新第1章新第2章に相当する。以下、第3章第4章第5章第6章第7章と続き、この第7章が旧第6章にあたる。

また、文章中、「第何章参照」と書くことがあるが、これは第3版に対応したものなので、第2版補訂版をあたられる際は、適宜読み替えてもらうことになる。なお、参照先の中には、まだ書いていない部分もある。あしからず。

形式面

ストーリーの注釈部分を、コラムという形にまとめた。ストーリーの流れを邪魔せず、また文章の内容をクリアに保てるので、読みやすくなったと思う。それに、注釈にだけ記述を集中できるので、密度の濃いものを提供できるようになった。コラムだけ読んでいただいても、そのパラノイアックなこだわりぶりを楽しんでもらえるのではないかと自負している。

また、文章量が増えたため節の区分も見直した。そして、どこに何が書かれているのかを、瞬時に把握することが難しいという問題に対処するため、新たに総合目次を作成し、本書の構造と、更新の状況が一目でわかるようにくふうした。それから、参照関係も整備し、節の単位で細かく指定するようにしたため、ストーリーのどのあたりを参照しているのか、わかりやすくなったはずである。

さらに、今回、XHTML 1.1を採用してみた。ルビ文字に正式に対応しているからだ。「Another HTML-lint」でチェックしたので、ほぼ完全に準拠できたはず。ちなみに、XHTML 1.1はHTML 4.01とのあいだに先方互換性があるので、ふつうのWebブラウザなら問題なく表示できるだろう(Lynx 2.8.5dev.5で確認済み)。

デザインも、やや見直してみた。できるだけ統一するようにしたので、スタイルシートを一枚にまとめることができた。これで読み込み時のオーバーヘッドを減らせただろう。なお、Microsoft Internet Explorer(MSIE)を利用されている場合でも、「ス切リボ」というソフトを使えば、スタイルシートを差し替えてデザインを変更することが可能である。

スタイルシートは、主にCSS1を使い、部分的にCSS2を使っている。MSIE 6.0とNetscape 7.0では表示に問題がないことを検証した。が、MSIE 5.0ではデザインが少し崩れ、Opera 6.05では表示が乱れる。ちなみに、いまお読みになっているこのページだけは、ほんの少しCSS3を採り入れている。将来のNetscape 7やMozillaでは、ボーダーの角が丸く表示されるはずだ。

以上のように、第3版は内容のクオリティを向上させるとともに、読みやすさにも配慮したものとなっている。これにより、「量はすごいんだけど……」といったご批判にも応えられるようなものになったのではないかとおもう。

将来への展望

まずは、本文の全面改訂が目標だ。ついで、Appendixも書き直したい。もちろん、新しいネタを付け加えて。その際、一部のアイテムの解説をやろうと思っている。なぜか誰もやっていないので。誰かやってくれないだろうか。

それから、偽典の小説があってもいいはずだ。これはたいへんな作業なので、あまり手がつけられていないようだ。筆者も、アイデアだけはあるのだが、ぜんぜん形にならない。テーマは、ペンタグランマ。渡邊伸明を主人公にして、レジスタンスの創設から、新宿に進出し、都庁にいたるまでを描きたい。描きたいが、はたしてできるのかどうか。力及ばず、企画倒れに終わってしまうかも。

追記

第8章を追加した。ストーリーでいえば、御花屋敷からミレニアム総本山までにあたる。また、ワールドガイドと銘打って、リンク集を復活させた。一方、参考・関連文献は、書籍に限定するものとし、こちらも整備した。そのほか、第7章までの内容も、研究の進展に合わせた修正を施してある。

さらに追記

第9章を追加した。黄泉から臨海コロシアムまでが対象。また、かつての追補編(Appendix)を整理・統合し、加筆・修正を加えて追補A‐1追補A‐2にまとめた。それから、一部のアイテムについては、追補Bで解説を行っている。

第2部

新たな謝辞

まずは、本書の掲載を快く許可してくださった、生体エナジー協会代表に最大限の感謝を送りたい。代表のご厚意がなければ、今ごろ本書はWebに存在していなかったところだった。また、『悪魔全書』もずいぶんと参考にさせていただいた。さらに、本書にクールな表紙まで提供してくださった。

偽典・女神転生の攻略』を運営されているにゃるらとてっぷさんにも感謝する。このサイトに整理・集約された膨大な情報を参照しなければ、本書は書けなかった。

メッセージデータ等を解析し、悪魔解析ソフトを作成された「ら」さん、そしてフォントローダを作成されたTOMさんにも感謝する。これらのデータおよびソフトも本書が成立するうえで重要だった。

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