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統計によるとイギリス人がペットフードにかける金額はベビーフードの2倍であるという。もっとも世間には数々の並々ならぬ動物愛好家が存在するという事実の前にはこうした数字もいささか意味が薄れるところであろう。 こうしたペットへの抜きんでた愛情は多くの場合遺言という形で我々の目に付くことが多い。ロックモンの領主アダム・デュピュイの後妻は後に残された飼い猫の世話について以下の様に遺言に書き記している。 「一日に2回、私たちが食べていたのと同じ肉入りポタージュを与えて下さい。これは一匹づつ、別々の皿に入れて出すように。スープに入れるパンは潰してはいけません。クルミ程の大きさでないと二匹は食べません。まず鍋のスープにパンを浸します。次にポタージュが滲みた肉を少々加えて鍋の蓋をし、食べごろになるまでとろ火でことこと煮ます。……(以下省略)」 しかしながら事例として数多いのは例によって財産の遺贈である。1625年に死去したラ・ミランドラ伯爵は全財産を25年間も飼っていた愛鯉に贈った。より最近の例としてはシカゴに住んでいたマーガレット・モンゴメリー夫人による5匹の猫への1万3800ドルの遺贈がある。ただしこの猫たちは人間並みに相続税を課せられたらしい。 そうした中でも実に見事だったのは古代ローマの大詩人ヴェルギリウスで、彼はお気に入りの蠅が死んだ際に80万セルティウスという恐ろしい金額をかけて葬儀を行い、しかもかのマエケナスによる異例の追悼演説という特大のおまけさえ付けたのだった。これだけでも空前絶後の一件であるが、やはりこの葬儀の素晴らしさは次の一点に止めを刺そう。葬儀の後ヴェルギリウスは蠅を埋めた土地を墓地だと主張、税金の支払いから逃れたのだ。 |