参考・関連文献


「偽典・女神転生の秘密」シリーズを書くに当たって参考にしたWebページ、および関連のWebページを公開します。さらに、参考にした書籍が加わりました。それぞれコメント付きです。お勧めのものは★マークが3つになっています。


参考にしたWebページ

★★★ 偽典・女神転生の攻略

にゃるらとてっぷさんが運営する、下記の「にゃるらとてっぷホテル」の中にあるカフェ&バーという設定。イベントの攻略情報のほか、アイテムデータや悪魔相性表などを掲載。上級者向けには、セーブデータを操作してデバッグモードを起動させたり、フォントを改変する方法なども伝授してくれる。

有用なソフトも公開されている。ファイルにXORをかけるソフトを使えば、不完全ながらもゲーム中のメッセージを解析できるようになる。また、セーブデータを改変するソフトや、フォントローダもある。さらに、悪魔データを解析するソフトも公開された。ボス専用の隠し特技まで知ることができるのだ。

WIN版発売以降、データの拡充がかなり進んでいる。WIN版の情報とDOS版の情報、それに共通情報が区別されているため、わかりやすい。掲示板も賑わっているようだ。

なお、このサイトとは相互リンクです。

【関連】 : にゃるらとてっぷホテル / 偽典・DDS98用プログラム


★★★ Somatic Energy Institute

「生体エナジー協会」という不思議な名前のWebサイト。秘密結社なんだそうだ。更新は代表がひとりで行っているようだが、登録すると会員になれるらしい。一角には偽典に関するコーナーがあり、全悪魔リスト、全ショップリストなどを公開している。情報量は膨大。とりわけ悪魔の出典を解説している『悪魔全書』は、かなりの力作である。サイト内検索機能つき。

WIN版偽典の発売に伴い、初台支部が開設された。代表のコラムも掲載。美麗なデザインは見事というほかない。

相互リンクです。

【関連】 : なし


★★★ MinorGameLaboratory

その名の通りマイナーなゲームを扱っている(偽典がマイナーというのはちょっと悲しいが)。偽典のコーナーでは、リプレイ形式で偽典のストーリーを綴る。当サイトとの最大の違いは、マップがついていること。そのエリアに出現する悪魔も網羅しており、便利である。また、悪魔が落とすアイテムについても詳細なデータがある。

特別企画『キツネとニュートン』は一見の価値あり。バカバカしさを通り越してほとんどシュールですらある。

【関連】 : なし


★★ MEGAMITENSEI Fan Club

のーざんさんが運営する、「の〜ざんたうん」というWebページの一角にある。かなり早い時期から公開されていたが、いまだ全アイテムデータを知ることができるのはここしかない。どうやらテンポラリファイルを解析して得たもののようだ。また、DOS非修正版のバグによってできてしまった、アイテム欄の空白を消してくれるツールも入手できる。

【関連】 : セーブデータのクリーン化ツール


関連するWebページ

★★★ Dictionary of Pandaemonium

直訳すると「万魔殿の辞典」。すなわち、古今東西の悪魔並びに神器・秘宝の類についてデータを収集し、整理・分類しているWebページである。ソロモン王に封印されし72柱の魔神の名称など、ちょっと調べたくらいではわからないようなデータが満載。着々と項目数が増えているようで、他の追随を許さないレベルにまで達している。データを焼き込んだCD-ROMも販売している。

【関連】 : なし


★★★ T∴O∴H∴

『真・女神転生』TRPGファンクラブのサイト。「トーハ」と読ませるらしいが、なんの略かは不明。たぶん、秘密結社「O∴T∴O∴」のパロディなのだろうが。

『大司教の部屋』などという妖しげなものがあり、掲示板には鈴木大司教御自らお出ましになるようだ。また、未完成ながら、神族・悪魔の解説が掲載されている。これまた大司教の手になるものだろう、内容はかなり詳細で、その項目に関係するグラフィックも付けられている。読めば悪魔への思い入れが増すこと請け合い。

全体的にかなりディープな雰囲気だ。そこがクールですばらしい。

【関連】 : なし


★★ 万魔殿

メガテンに登場する悪魔の解説を掲載。解説の詳細さは項目ごとにばらつきがある。生体エナジー協会の『悪魔全書』の方がレベルは上だろう。しかし、項目数は膨大な数に上り、地域ごとに分類されているので見やすい。都市伝説への言及もある。

【関連】 : なし


★★ 新紀元社

ここから出ている「Truth In Fantasy」シリーズは強力なラインナップである(最近ちょっとパワーダウンしてきたが)。「幻想世界の住人たち I〜IV」、「虚空の神々」、「堕天使」などのタイトルがお勧めである。とくに「幻想世界の〜」は偽典の悪魔設定にも携わっている健部伸明氏が著したもので必見。

【関連】 : なし


参考書籍

真・女神転生RPG基本システム

【著者】 鈴木一也と遊企画
【出版社】 アスキー出版局
【発行年・ISBN】 1993, ISBN4-7561-0847-4
【評価】 ★★★

「偽典・女神転生」のベースとなっている本。偽典のプロデューサー鈴木一也氏が手がけたものだけに、相当濃い仕上がりになっている。偽典の世界観、神族、覚醒段階、魔法体系など、多くの要素がこのシステムに依拠しており、これなくして偽典は語れないと言ってもいい。ちなみに、イラストレーターの相崎直美氏は、偽典のイラストも手がけている。だが、'93年に出版されたものなので、いまだに書店に並んでいるかどうかは不明。なお、続編があったようだが、世界観等を深化させたものではないようなので、筆者は買っていない。サプリメントについては、残念ながら情報不足でよくわからない。


真・女神転生II 悪魔大事典

【著者】 アトラス/遊企画・監修,成沢大輔・編
【出版社】 宝島社
【発行年・ISBN】 1994, ISBN4-7966-0841-9
【評価】 ★★★

金子一馬氏のイラストとともに鈴木一也氏の詳細な悪魔解説が掲載されている。イシュタルの項目の解説がとくに詳しいのは、偽典制作のため鈴木氏が相当調べたためだと思われる。アトラスの開発スタッフと成沢大輔氏との対談『創造主たちかく語りき』も併録。こちらもイベントの裏に隠されたテーマを明かしてくれる貴重なもの。ところで、この悪魔大事典はファミコン版のIIからあるようなのだが、筆者はこれ一冊しか持っておらず、他は入手し損ねた……。


CLUB邪教の館

【著者】 HIPPON SUPER!編集部・編
【出版社】 宝島社
【発行年・ISBN】 1993, ISBN4-7966-0683-1
【評価】 ★★★

「真・女神転生ファンブック」と銘打たれた本書は、『HIPPON SUPER!』誌(今はもうないと思う。昔は『ファミコン必勝本』という名前だった。ちなみに、そのころ宝島社はJICC出版局と言った)に寄せられた投稿をまとめたものである。だが、それと同時にバーテンダー役の成沢大輔氏が『真・女神転生 I』の謎について語ったり、鈴木一也氏がガイア教「司教」デミアン鈴木を名乗ってお勧め書籍・ビデオを紹介したりと、面白い企画がけっこうある。なかでも「武器大展覧会」のコーナーでは、『真・女神転生 I』に登場する武器や防具を金子一馬氏と高橋政輝氏が視覚化しており、見ているだけでも楽しい(もちろんそれぞれに解説が付されている)。


幻想世界の住人たちII

【著者】 健部伸明と怪兵隊
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1989, ISBN4-915146-09-X
【評価】 ★★★

Truth In Fantasyシリーズの中でも、もっとも優れた作品の一つ。ヨーロッパ・中近東・アジア・新世界に棲息する「幻想世界の住人たち」について幅広く解説。だが、この本の真骨頂は巻末の『魔界紳士録』である。健部伸明氏の手になる解説は著名な悪魔のほとんどを網羅し、オリジナルの挿し絵入り。偽典に登場するボス悪魔のほとんどはこれが元ネタになっているのだ。なお、資料・情報提供のクレジットには竹内誠氏や成沢大輔氏の名も見える。


魔法事典

【著者】 山北篤監修
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1998, ISBN4-88317-304-6
【評価】 ★★★

古今東西の「魔法」あるいはそれにまつわる出来事・人物などを収録した事典。大小合わせて600項目にも及ぶ。クトゥルフや『魔法の国ザンス』まで含まれているのは異論のある向きもあろうが、細大漏らさず網羅したものと考えれば納得がいく。「ティアナのアポロニウス」や「シモン・マグス」についてページをパラパラとめくるだけで調べることができるというのは、ちょっとほかでは味わえない経験ではないだろうか。


オリエント神話

【著者】 ジョン・グレイ(森雅子訳)
【出版社】 青土社
【発行年・ISBN】 1993, ISBN4-7917-5259-7
【評価】 ★★★

古代メソポタミアからカナアン、イスラエルに至るオリエント神話の研究書。だが、訳者あとがきにもあるように「本書は一般の読者のために近東の神話や宗教を包括的に、概説的に取り扱っているものではない」。あくまで文化人類学の立場から神話を分析しようというものだ。しかし、イシュタル、バアル、マルドゥーク、ギルガメシュなど、偽典にもその名が見られるさまざまな神や英雄が登場し、比較神話的な位置づけが語られる。そして、カナアンの神話がユダヤ/キリスト教に与えた影響についても触れられており、偽典のストーリーを読み解くならば、こういった知識は必須のものと言えよう。なお、ルシファーの原型がカナアンのアッタル神であることも明かされる。


ギルガメシュ叙事詩

【著者】 矢島文夫訳
【出版社】 筑摩書房(ちくま学芸文庫)
【発行年・ISBN】 1998, ISBN4-480-08409-6
【評価】 ★★★

時を遡ること3,000〜4,000年。『ギルガメシュ叙事詩』は、世界最古の叙事詩であるとともに古代オリエント最大の文学作品である。だが、現代に伝わっているものは粘土板の断片でしかなく、推定によると11の書板に刻まれた物語の約半分が残るのみだという。しかも、それぞれの粘土板にはアッシリア語、バビロニア語、シュメール語などのバージョンがあり、それらをもとに一貫したストーリーを再構成するのは至難の業である。訳者の矢島文夫氏は古代オリエント研究の第一人者であり、叙事詩の日本語訳を初めて世に出したのもこの人。その第一人者が一般の読者向けに『ギルガメシュ』を再構成・翻訳し、解説を付したのが本書である。文庫化されるにあたって『イシュタルの冥界下り』も併録されており、メガテニストならばどちらも一度は目を通しておくべきだろう。


世紀末

【著者】 草野巧
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1997, ISBN4-88317-293-7
【評価】 ★★★

サブタイトルは「神々の終末文書」。Truth In Fantasyシリーズ中の一冊である。ユダヤ/キリスト教やイスラム教、グノーシス主義等の終末論を解説したもの。偽典と関係があるのは死海文書が描く終末についてで、光の軍勢と闇の軍勢が40年間戦争を繰り広げた後、ふたりのメシアが千年王国を樹立するというものだ。渋谷でガブリエルや調査官たちが語った内容は、これを踏まえている。


八百万の神々

【著者】 戸部民夫
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1997, ISBN4-88317-299-6
【評価】 ★★★

サブタイトルは「日本の神霊たちのプロフィール」。やはりTruth In Fantasyシリーズ中の一冊。主として記紀神話の神々について解説したもの。それぞれの神様の特徴がよく分かる。別称もできる限り載せてくれているのが親切だ。ただし、それぞれの性格によって分類されており、天津神・国津神の区別はあまり意識されていないようである。巻末にはささやかながら用語解説もある。


風水先生

【著者】 荒俣宏
【出版社】 集英社文庫
【発行年・ISBN】 1994, ISBN4-08-748159-X
【評価】 ★★★

サブタイトルは「地相占術の驚異」。風水先生こと荒俣宏氏が風水に関する蘊蓄を傾けたものだ。第一部は荒俣氏が香港の風水師と出会い、「日本人で最初の風水師になりたい」と志すところから始まる。第二部の前半は風水の基礎知識を説く。第二部後半では、応用編として、日本の各地域を風水の観点から評価していく。その中で一番面白いのは、やはり東京編だ。江戸に張り巡らされた風水の仕掛けが解き明かされていく。ついでに五色不動と天海僧正の関係も教えてくれる。


虚空の神々

【著者】 健部伸明と怪兵隊
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1990, ISBN4-915146-24-3
【評価】 ★★★

ケルトと北欧の神々について詳細な解説が掲載されている。とくに、ケルト神話のストーリーの流れをわかりやすい形で再構成してくれているところが嬉しい。神々の父ダーザ(ダグザ)・モール、銀の腕のヌァザ、長き腕のルーといった神々が生き生きと描写されている。もちろん、北欧神話についても主なエピソードはほとんど網羅されている。おそらく、これほどよくまとまった本は他にないだろう。ただ、残念なことに、クー・フーリンやフィン・マックールの時代についてはほとんど語られていない。


幻想世界の住人たちIV〈日本編〉

【著者】 多田克己
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1990, ISBN4-915146-44-8
【評価】 ★★★

これもTruth In Fantasyシリーズ中の一冊。〈日本編〉とは要するに妖怪博物図鑑である。妖怪、というと水木しげる氏の名がすぐに頭に浮かぶが、本書は水木ワールドとはやや異なった雰囲気である。図鑑であることに徹している、というべきか。酒呑童子や土蜘蛛にはじまり、オサキ狐、天邪鬼、果ては毛羽毛現(ケウケゲン、希有希現とも)まで、御花屋敷の妖怪たちはこの本が元ネタである。怨霊の項には将門公のエピソードも。


古事記

【著者】 倉野憲司校注
【出版社】 岩波書店(岩波文庫)
【発行年・ISBN】 1963, ISBN4-00-300011-0
【評価】 ★★

日本最古の歴史書・文学書。稗田阿礼が暗記した『帝紀』・『旧辞』等の内容を太安万侶が書き留め、まとめたものだという。天地開闢よりの神話が綴られているが、『日本書紀』よりも内容は古いらしい。より原型に近いためか、登場する神・英雄たちは、『日本書紀』に比べてはるかに人間くさく描かれている。


日本書紀(一)

【著者】 坂本太郎・家永三郎・井上光貞・大野晋校注
【出版社】 岩波書店(岩波文庫)
【発行年・ISBN】 1994, ISBN4-00-300041-2
【評価】 ★★

古代の神話から、持統天皇の治世までを編年体で綴った「正史」である。本書は五分冊のうちの第一冊目で、神代から崇神天皇までを収録。偽典に関係するのは主に神代の項だが、読んでいて面白いのは本文よりもむしろ注の方だ。各ページにびっしり注がつけられているのだが、それだけではとても収まりきらないため、巻末に長文の補注が加えられている。アマテラスとヒルコの関係について触れられているのも、補注においてである。校注者として名前が挙げられている4人は、いずれも高名な歴史学者や国語学者であるらしいので、たぶん内容は信頼できるはず。


逆説の日本史 1.古代黎明編

【著者】 井沢元彦
【出版社】 小学館(小学館文庫)
【発行年・ISBN】 1998, ISBN4-09-402001-2
【評価】 ★★

作家の井沢元彦氏が日本史学会の通説に不満を覚え、独自の観点から日本史を洗い直すのが、「逆説の日本史」シリーズである。氏はその「観点」として、「和」や「ケガレ」の意識、怨霊信仰を挙げる。本書中の大国主命編では、神話は実話を反映しているとの前提のもとに、「オオクニヌシ(のもとになった人物)こそ、日本最初の怨霊である」と主張する。そして、出雲大社は大怨霊オオクニヌシを封じ込めた神殿だとする。天津神と国津神の抗争の一端が垣間見えるエピソードではないか。ちなみに、「とこしへに隠れ」た、つまり死んだオオクニヌシは、「幽事かくりごと」すなわち霊界の政治の神となった。偽典で黄泉にオオクニヌシがいるのはそのためである。


逆説の日本史 5.中世動乱編

【著者】 井沢元彦
【出版社】 小学館
【発行年・ISBN】 1997, ISBN4-09-379416-2
【評価】 ★★

上の本の続編である。鎌倉幕府の成立から、執権北条氏がその地位を確立するまでを描く。が、ここで重要なのは、壇ノ浦の戦いで神剣(草薙剣)が海中深く沈んでしまったという事実である。メガテン的視点から見れば、この際神剣は根の国=黄泉へ堕ちたと解釈することもできる。だから神器は黄泉の主である大国主のもとに長らくあったはずだが、ご存じのとおりオセに奪われてしまったのである。


堕天使

【著者】 真野隆也
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1995, ISBN4-88317-256-2
【評価】 ★★

Truth In Fantasyシリーズ中の一冊で、サブタイトルは「悪魔たちのプロフィール」。唯一神によって悪魔に堕とされた堕天使や古き神々について述べたもの。ルシファー、ベリアルといった超大物悪魔が項目の最初に挙げられているが、偽典と関係するのはダゴン、バール、イシュタルなどである。


インド曼陀羅大陸

【著者】 蔡丈夫
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1991, ISBN4-88317-208-2
【評価】 ★★

Truth In Fantasyシリーズ中の一冊で、サブタイトルは「神々/魔族/半神/精霊」。三大神(ヴィシュヌ・シヴァ・ブラフマー)をはじめとするディーヴァ神族、ヴリトラなどのアスラ神族、ラーヴァナを筆頭とするラークシャサ神族ほか、ハヌマーン、カーマ、キンナラなど、顔ぶれは多彩。わずかながらシャクティズムについても記述があり、偽典のストーリーと関わってくるのはこれである。バエルはイシュタルからそのエネルギー、つまりシャクティを引き出して己のものにしようとしたのだ。


魔術師の饗宴

【著者】 山本篤と怪兵隊
【出版社】 新紀元社
【発行年・ISBN】 1989, ISBN4-915146-06-5
【評価】 ★★

上に挙げた『魔法事典』のベースにあるのがこれだ。やはりTruth In Fantasyシリーズ中の一冊で、ルーン、カバラ、錬金術、ヴードゥー教などを扱っている。巻末に毒について少しだけ解説があり、たとえば「クラーレ」という毒は、アマゾン地方の原住民の矢毒に用いられていることなどがわかる。


日本の神話伝説

【著者】 吉田敦彦、古川のり子
【出版社】 青土社
【発行年・ISBN】 1996, ISBN4-7917-5468-9
【評価】 ★★

学問的観点から解説を加えながら、記紀神話のあらましを述べる。文化人類学の影響が色濃く、比較神話的観点からオオクニヌシ(オオナムチ)とアドニスの類似が語られる。オオクニヌシは最後は黄泉の支配者となったが、若き日に死の淵から蘇ったことがあり、これは穀物神としてのアドニスのエピソードと共通するという。そういえばオオクニヌシは第一に農業神であった。


地獄の辞典

【著者】 コラン・ド・プランシー(床鍋剛彦訳、吉田八岑協力)
【出版社】 講談社
【発行年・ISBN】 1990, ISBN4-06-201297-9
【評価】 ★★

19世紀の作家にして悪魔学者コラン・ド・プランシーの手になる、ありとあらゆる怪奇なものを集大成した辞典である。ただ、本書は抄訳であり、悪魔に関連する項目を主に扱っている。羽に交差した骨と頭蓋骨マークを刻んだ巨大な蠅の姿でベールゼバブを描き、ベルフェゴールを寝室用の便器に座らせたのも本書においてである。なかには、エウリノームのように自ら創作した魔神もあるが、ソロモン王の72柱の魔神については、『レメゲトンあるいはソロモンの小さき鍵』を底本にしているようである。


小説「聖書」〈旧約篇〉

【著者】 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳)
【出版社】 徳間書店
【発行年・ISBN】 1998, ISBN4-19-860855-5
【評価】 ★★

聖書のストーリーだけを著者のウォルター・ワンゲリン氏が独自の視点・解釈から再構成したもの。筆者のような信仰を持たない人間にとって、知りたいのはストーリーだけであるから、こういう本はありがたい。ただ、変則的な構成になっているので、知識のある人は逆にとまどうかもしれない。まずアブラム(アブラハム)の物語から始まるのだ。そして、天地創造やノアの箱船のエピソードは、物語の最後の方で、祭司エズラが会衆に語りかける形で目にすることになる。


小説「聖書」〈新約篇〉

【著者】 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳)
【出版社】 徳間書店
【発行年・ISBN】 1998, ISBN4-19-860869-5
【評価】 ★★

上記の本の続編。いわばイエスの一代記である。ヘロデ、洗礼者ヨハネ、マグダラのマリアなど、偽典にも名前が出てきたキャラクターが登場。ここではヨハネはエッセネ派に属していたことになっており(あくまで著者ウォルター・ワンゲリン氏の見解によるもので、歴史的事実の真偽は不明)、偽典の設定に近い。


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